
なぜ僕がオーガニック村を作りたいか?
僕は、リアルとバーチャルが融合したオーガニック村を作るため、スローペースですが一歩一歩進めております。
作りたい理由は様々あるのですが、一番のきっかけとなった出来事をお話しさせてください。
独立してはじめて作った自然食カフェでのことです。
開業直後から、毎日のようにご来店してくださるKさんという女性がいらっしゃいました。
「こんなお店が出来るのを待っていたんです」と、とても喜んでくださいました。
4才の娘さんと7才の息子さんを連れてご来店されることもありました。
落ち着いた時間にご来店された時は、やさしくお話ししてくださり、いつも「応援してます」とお伝えくださいました。
お子様ともお話しするようになり、いつからかご来店されるのが当たり前になっていました。
ある意味、家族のような気持ちにもなっていました。
しかし、3年ほど経った頃、ある日を境にお顔を見なくなりました。
「何か不手際があったかな?」「引っ越しされたのかな?」「まさか体調を崩されてるのかな?」と、心配していたのですが、
しばらく経ってから、癌でお亡くなりになられていたことを知りました。
それから更に3年ほど経ったある日、
常連のHさんとKさんの息子さん(R君)が、ご一緒にご来店されました。
最後に見た日から3年以上経っていましたので、見違えるほど大きくなっていましたが間違いなくR君でした。
Hさんに「お知り合いだと知りませんでした」とお話ししましたが、いつものように会話が弾むことなくお帰りになられました。
R君とはほとんどお話し出来ませんでしたが、丁寧にお辞儀をして帰る姿がすごく印象に残りました。
翌日、Hさんがご来店くださり、詳しくお話をお聞かせくださいました。
Kさんがお亡くなりになった後、お父さんがいらっしゃいましたが、家事が苦手だったこともあり、家で満足な食事が出なくなってしまったそうです。
食べざかりのR君は空腹に耐えかね、デパ地下でお惣菜の試食を食べ廻るようになりました。
しかし、満足できるほどの量はなく、ついにお惣菜を盗むようになってしまったそうです。
そして、補導されてしまいました。
Hさんは、そんな子ども達が厚生できるようお手伝いをされていました。
R君の担当になり、「何か食べたいものある?」と聞いた時、うちのお店を指名してくれたそうです。
お母さんとの思い出があるからと。
それで、昨日ご来店してくださったそうです。
それを聞いた僕は思わず、
「なんで、お腹すいた〜ってうちに来てくれんかったんや。いくらでも食べさせるのに…」と、言っていました。
それからしばらくの間、僕の頭の中はそのことでいっぱいになりました。
自分が言った言葉についても深く考えました。
はたして、子どもがそんなこと言えるかな?
もし、自分が子どもの頃に同じ境遇だったら、きっとR君と同じ行動をとっていたに違いありません。
しばらくして、『そんな関係を作れなかった』僕の方に原因があるんじゃないか。
そう考えるようになりました。
子どもは、地域や国の宝。
みんなで助け合い、みんなで子育てをして、安心して心豊かな暮らしをするコミュニティが出来たらと考えています。
地域では難しいことだって、地域を超えたコミュニティを使えば出来ることも沢山有りそうです。
それが、リアルとバーチャルが融合したオーガニック村を僕が作りたい理由です。